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はい、こっちでの公開はお初になります、二次創作物、東方SSになります。
やー、二次は設定が確立しているから助かる反面、あまりその設定から逸脱しないようにするのが大変です。
実はまだ完成には至っていないのですが、長さがちょうどいい感じで切れ目ができたので一旦うp。
まぁ、二次だけに元ネタがわからなければ楽しくないかもしれませんね。
では、駄文ですが、興味のある御仁はどうぞお読みになってください。
読了の際には感想をいただけると有難いです。
幻想における贖罪と断罪 ~lunatic moon in zanado~
やー、二次は設定が確立しているから助かる反面、あまりその設定から逸脱しないようにするのが大変です。
実はまだ完成には至っていないのですが、長さがちょうどいい感じで切れ目ができたので一旦うp。
まぁ、二次だけに元ネタがわからなければ楽しくないかもしれませんね。
では、駄文ですが、興味のある御仁はどうぞお読みになってください。
読了の際には感想をいただけると有難いです。
幻想における贖罪と断罪 ~lunatic moon in zanado~
――――夏は嫌いだ。
夏の日差しは、植物に成長を促す。
そうして、あのじりじりと肌を焼くような光を受けた植物は、あふれんばかりの生命力を、執拗に顕示する。
その様子はまるで、地も人もかまわずに、飲み込んでしまうかのようだ。
――――夏は嫌いだ。
じっとりと肌に張り付くような湿気は、時に激しい夕立になる。
あのもわっとした嫌な空気と気温は、自分と世界との境界をあいまいにする。
そうかと思えば、唐突にそれは天からの槍となり人を穿ち、地を削る。
その様子はまるで、自然を軽んじている人を戒めるかのようだ。
――――夏は嫌いだ。
満月の寝苦しい夜には、決まってあの夢を見るからだ。
むせ返るような緑の匂いは、ともに地上に降りた従者らの、血霧の生臭さを連想させる。
べたべたとした湿気は、降り注ぎ身を濡らす血を連想させる。
それはまるで、己の浅はかさを、己の不死の身を咎められているかのようだ。
幻想郷の夏は暑い。
おおよそ四季のはっきりした日本のどこかに存在するだけはある。
博麗の結界も、気候までは隔離しているわけではないようだ。
といっても、冥界の亡霊や不良天人の気まぐれで、とんでもない気候になることもままあるが。
ただ、今年の夏は誰も異変を起こす気もないらしく、至って普通な、日が落ちても気温の下がらないなんとも過ごしにくい夏だ。
(………月の都は過ごし易すぎるきらいはあったけれど)
その光で本が読めそうなほど明るい満月を見上げながら、八意永琳は思った。
見上げる月の「裏側」に存在する都、通称「月の都」
永琳が故郷であるそこを離れてから、一体どれだけの月日が流れただろうか?
試しに数えてみれば、ざっと千年は超えていることに気がつく。もはや気の遠くなるどころか、想像すらできぬ長さだ。
しかし、もともと長寿な月人であり、なおかつ不死の身となった永琳にとっては、瞬きに等しい時間である。
(瞬きに等しい須臾の時、か……その千年強の時間にどれだけのことがあったか)
代々薬師の家系であった八意家の中でも、永琳の才能は群を抜いていた。
「月の頭脳」とまで謳われたその才能で、永琳はありとあらゆる薬を生み出し続けた。
塗れば綺麗に傷がふさがる膏薬、不治の病への特効薬、若返りの薬………
そんな程度の薬であれば、片手間で作れるようになった永琳は、いつしか一つの薬に興味を持ち始める。
―――――蓬莱の薬
後に地上の人間によってそう称されるようになった、不死の薬。
全てはこの一つの薬から始まった。
「天才」、八意永琳は、既にその薬を創り出すだけの知識も理論も、技術も身につけていた。
しかし、「不死」と「死者の蘇生」に関しては、地上と同様に月の都においても禁忌とされている。
研究とはいえ、結局のところは自分の好奇心を満たしたいという欲望に帰着する。
そんなくだらない理由で、禁忌に手を出すなどということはできなかった。
彼女が現れるまでは。
カグヤ、地上の文字で表記するならば輝夜。
彼女は月の民の中でも、王族、つまり月の姫であった。
月の都における王族の権力は、絶対を誇る。
ある日、カグヤは興味本位で、永琳に不死の薬を創るように命じた。
代々薬師で、名のある家系とはいえ、八意家は所詮一般階級、特権階級のカグヤの命に背くことなどできはしない。
それに、永琳にとってこの命令は、己の知的好奇心を満たすまたと無いチャンスであった。
例え不死の薬を作ったとしても、それを服用するようなマネをしなければ、極刑に処されることはない上に、
特権階級からの命令であれば、酌量の余地も無いことはないからだ。
永琳は、既に机上で確率した理論をもとに、持てる知識と技術と総動員して薬の創造にとりかかった。
薬の創造は、常に失敗とそれに伴う危険と隣り合わせである、ましてや創ろうとしているのは、
ありとあらゆる薬の頂点に立つ存在だ、いくら月の頭脳とはいえ、一度で成功するというわけには行かなかった。
そして幾度目かの失敗の後、ついに永琳は、理論上で計算されたデータと同値の薬を創造するに至る。
理論値上は完璧、非の打ち所のない「不死の薬」ができあがったのだ。
しかしあくまでそれは理論上だけの「完成」だ。
薬は、人体実験による実際の効果発現のデータを収集し、効き目があると立証されて初めて本当の意味での「完成」をみる。
だがこれは「不死の薬」、決して触れてはならぬ禁忌。
出来上がったこの薬を、依頼主であるカグヤに見せたら、捨ててしまうなり封印処理を施すなりして、絶対に日の目を見ることの無いようにしよう。
そう思い、永琳は夢であった不死の薬を創ることができたある種の満足感を胸に、カグヤのもとへと赴いた。
しかし、予想だにしないことが起こった。
カグヤが不死の薬を服用してしまったのだ。
特権階級は、月を治めるという仕事をしているかわりに、特権を与えられている。
その規範たるべき月の姫が、まさか禁忌に手をだすとは!
理論値上で完璧であった禁薬は、実地検証においても完璧であった。
撲殺刺殺絞殺焼殺爆殺銃殺轢殺毒殺斬殺溺殺圧殺、ありとあらゆる殺害方法でも、カグヤは死ななかった。
無論これは永琳が行った実験ではない。
禁忌に手を出したとして、カグヤを拘束した月の都の当局が行ったものだ。
永琳は、薬を創った張本人として、重要参考人名義でその実験に立ち会わされた。
飛び散る鮮血、たんぱく質の焼けるあの嫌なにおい、もはや原型を留めぬほどに撒き散らされた、肉、“死ぬ”たびに、響き渡る悲鳴。
そして、髪の毛一本から再びカグヤに戻る時のあの背徳的な光景。
これが禁忌に触れた罪なのだろうか?
幾たびもの実験を終えた後、カグヤと永琳は、この一連の事件に対する罰を宣告される。
殺しても死なない、いや、死ねないカグヤには、極刑である死罪はあがないにすらならない。
また、貴族であるカグヤを死罪にするというのは、表向きには非常に都合の悪いこと。
ゆえに、カグヤは地上、つまり地球におろされることになった。
地上の民、穢れた、不浄の民族とともに暮らすことを最大の罰としたのだ。
そして、永琳に課せられた罰は、死罪。
両者はの立場上、一連の情報が公表された場合、未曾有の大混乱が予想されるため、執行も秘密裏に行われることとなった。
刑の執行当日。
永琳とカグヤは拘束され、月から地上へとつながる扉の前へと引き立てられていた。
家族すら立ち会うことも許されぬこの処刑の場には、数名の執行人と、裁判の責任者しかいない。
月の裁判官がぶつぶつと罪状を読み上げ、刻一刻と執行の時が近づいてゆく。
『では、×××カグヤの堕天、及び八意××の死刑を執行す。扉の封印を――』
『待ちなさい』
裁判官の言の締めくくりを、カグヤの凛とした声がさえぎった。
『罪人に発言権は認められない』
『よくもそんな舐めた口がきけたものね、たかが×△家の小役人が』
『っ!貴様、自分が今どんな状況にあるか理解しているのか!?』
『理解しているわよ。ただね、私が罪人の身の上であっても、あなたと私では“格”というものが違いすぎるの』
相手を射竦めるような眼光を放ち、カグヤは続ける。
『心配せずとも、用件が済めばおとなしく刑は受けるわ』
『……その用件とはなんだ?』
『この女、八意××の死罪を取り消しなさい』
カグヤの口から飛び出した、途方もなく無茶な要求に、隣で拘束されていた永琳は耳を疑った。
それは他の面々も同様であったらしく、月の裁判官はこめかみに青筋を立てながら問いなおす。
『件の“実験”で気でも狂ったか、まぁ無理もなかろう』
『あいにく、至って正気よ。さぁ、××を解放しなさい』
『ふざけるなっ!!』
激昂した裁判官が、手元にある白く尖った、重量のありそうな文鎮を、カグヤめがけて投げつける。
ガツッと、聞いただけで鈍痛を感じそうな音をたててぶつかり、カグヤは一メートルほど後方に吹き飛んだ。
『カグヤ様っ!!』
拘束されているため受身も取れず、ごろごろと床の上を転がるカグヤ。
永琳は彼女のもとへ駆け寄ろうとしたところが、執行人に取り押さえられてしまう。
『……痛いわねぇ、不死とはいえ痛みはあるのよぉ?まぁ、あなた方に施された実験よりはマシかしら』
ゆっくりと起き上がり、先ほどとは打って変わってねっとりとした口調でしゃべるカグヤの額には、当たった文鎮がめり込んでいた。
額から眉間、顎へとかけてとめどなく血が流れ、足元に血溜まりを形成する。
『あ、あぁぁっ、う゛ぁ、あ゛あ゛、アァァァァアアアァッ!!』
喉から、声帯から搾り出すようなうめき声を上げて、カグヤは身悶える。
すると額に刺さった文鎮が、ゆっくりと、みちみちとおぞましい音を立てながら、抜ける。
カラン、と床に落ちた文鎮はべったりと紅い血液で染まり、先端には灰色のぶよぶよした何か付着していた。
『―――っ!! ぐぶっ!?、げほっげほっ!』
その灰色の何かが、カグヤの脳漿であることに気がついた裁判官は思わず手で口をふさいだ。
『あらぁ?それはあなたがしたことの残骸じゃない、なに吐き気を催しているのかしらぁ?』
ばさっ、とうつむいていたカグヤが首を振り上げて、長く黒々とした髪を振り払う。
すると今まで文鎮の刺さっていた、赤黒い傷口、否、傷穴が露になる。
『本当に気持ち悪いのはこれからよぉ?』
ニタァと、口が裂けんばかりに笑みをつくるカグヤ。
――みちっ、ぎちぎちっ、ぐちゃぐちゃべちゃっ!
すると、家畜の内臓を処理するときのような、生臭い音をたてて、額の周りの肉が隆起し、収斂しはじめた。
『あははははははははははは!!!あぁ痛い!あぁ苦しい!不死が何故禁忌とされているか、まさに体感できるわね!!』
再生にともない、不要となった血液やら皮膚やら肉やら脳漿やらがボトボトと零れ落ち、床とカグヤの着物を汚す。
『よっく聞きなさい小役人、八意家始まって以来の神童!、天才薬師!、月の頭脳!!、かのようにまで謳われた、八意××が、
これほどまでおぞましい薬の調合に手を出すと思うか?!否っ、断じて否!!彼女が禁薬を創りだしたのはこの、私!月の姫たるこの
×××カグヤが、命令したからこそ!!よって彼女には一片たりとも、このような扱いを、死罪に処せられるいわれなど無い!』
血肉を振りまきながら大音声で、永琳の無罪を主張するカグヤ。
その鬼神のごとき勢いに、裁判官はあとずさろうとし、椅子から転げ落ちる。
『ひ、ひぃっ……』
『さぁ、今すぐその忌わしい拘束を解きなさい!その穢らわしい口から吐き出した、罪状を撤回なさい!!
この不死の罪は、全て私にある!死罪でも、堕天でも、気が狂うような実験でもなんでも受け入れよう!!
だから……だから今すぐ八意××を解放しろ!!』
永琳は、彼女の名をつぶやこうとしたが、かすれた声にすらならなかった。
この場にいる数少ない人間が、全員、この光景に、カグヤの鬼気迫る迫力に、飲み込まれていた。
そして訪れた重く、鼓膜を圧迫するような静寂。
決して長くはないはずだが、永遠にも感じられたその静寂を破ったのは、無様にしりもちをついていた裁判官の声だった。
『…………八意××の死罪を撤回、無罪放免とし、×××カグヤの堕天執行を執り行う』
『よくできました』
その声は蚊がなくよりも小さく、大きく震えていたが、全員の耳にはしっかりと入っていた。
やがて永琳を取り押さえていた執行人が、拘束を解いて乱暴に、地上へと続く扉とは逆の扉へと引き立てる。
一方カグヤは、誰に促されるわけでもなく、自ら地上へと続く扉の前に立った。
退出させられる寸前、執行人の手を振り解いて、永琳は地上への扉と向かい合うカグヤの名を叫ぶ。
『……カグヤ様っ』
その声にカグヤはぴくりと肩を震わせて、扉に向かい合ったまま、
『××、すまなかったわ、このようなつまらない憂き目に合わせてしまって』
『何故、何故私ごときをかばわれるのです、決して私はっ』
『だからいったでしょう、これは私のわがまま、戯れ。それにあなたは巻き込まれただけなのよ。
それに、あなたのような腕のいい人間を失ったら、この世界は、月の都は近いうちに、類を見ない損害を受けることになる』
何かを仄めかすように、つぶやいた。
『それは一体……?』
『正確なところはわからないわ、百年後かもしれないし、千年後かもしれない、でも、必ず必要なときが来る、
それまでに私が帰ってこれればいいのだけれど。まぁそれはこの分だと無理そうね』
カグヤはクスリと笑うと、ゆっくりと永琳へと向き直り、
『では、麗しき月の皆々様方、願わくばまた垣間見えることにできるよう。
それまで、永遠の贖罪の時を、穢れた地上で紡ぎませう』
豪奢に、華麗に、月の姫たる威厳にかけて一礼をすると、いつの間にか開け放たれた扉の向こうへと、堕ちていった。
――――そして、地上において十数年の時が流れる。
PR
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★ プロフィール
HN:
上城 遊馬
性別:
男性
自己紹介:
前のハンドルは宇宙飛行士な名前だったり。
三流国立大学の隅っこで映像制作をする不良大学生です。
アウトドア派でクリエイター気取り。
ぬるぬると文章を書き連ねておりますのオタク。
東方大好き、MGS大好き、特撮大好き、アニメ大好き、小説大好き、料理大好き、キャンプ大好きな人間です。
もうちょっとしたらPixivの小説投稿を本格的に始めようかな……
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