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多くの妄想と少しの現実で構成されるブログ
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Thut-The thing which unifies time and wisdom-

第十一話「紅茶とブルマ」









日曜日。
健全で優良な女子高生ならば、部活や遊びに精を出す時間。
そんな時間に、自称健全優良女子高生の煉瀬詩織は、とある施設に赴いていた。
広大な敷地を有し、初めて訪れるものを圧倒する大きさを持つ建造物。
中に入れば、その大きさに違わぬ広さをもった空間が広がっており、内装はどこか近未来的な匂いを漂わせている。
建物の中を行き交う人々はそれなりに多く、しかもその性別や年齢層、人種は様々。
まだ十歳に満たないような子供がいたと思えば、一世紀生きてるんじゃないかこいつは?と言いたくなるような老人まで、
まさに老若男女という言葉が体現された空間である。

『魔法統制管理局 本部』

先の大戦中および戦後数十年間で、飛躍的に発展、普及した魔法技術を管理統制する機関の本部。
日本のどこかに存在し、外界とは完全に隔絶された空間に在り、日本の土地の上に成り立っていながら、
魔法技術の国家による独占を防ぐため、日本国の影響下から独立した完全なる治外法権を有している。
魔法統制管理局の現在の主な役割は、魔法技術の継承、及び隠匿、覚醒者の登録、保護、魔法犯罪者の逮捕から裁判、
処分に至るまで、収拾のつかなくなった紛争への介入など、多岐にわたっている。
それ故にここを訪れる人間はさまざまで、幹部クラスのジジイババアがいれば、実働部隊の中堅どころである青年期や壮年期の人間、
ついこの間魔法能力に目覚めた、魔法継承家系のちびっ子等々。

「……いつ来てもごった返してるなぁ、ここは」

詩織は受付で手続きを済ませ、時間まで休憩所でお茶をすすっていた。
魔法統制管理局は世界各国に支部を持っている。
異能の力を持っている人間が少ないとはいえ、日本本部のみでは世界を裁き切れないからだ。
以前(以前といっても三十年弱)は本部ひとつしかなく、その負担の大きさは計り知れないものだったらしいので、
この混み具合も現在の比ではなかったのかもしれない。

「あれ、詩織ちゃん、久しぶり」

名前をよばれ、顔をあげるとそこには一人の青年がいた。
外見から年齢は読み取れないが、はっとするほどの目鼻立ちをし、三つ揃いのスーツに身を包んだ、
世の女性が一目見たらキャアキャアいってどうしようもなくなりそうな美形である。

「お久しぶりです、土御門さん」
「元気にしてた?」

実のところというべきか、事実として詩織も相当な美人であるので、
土御門、と呼ばれた男とのツーショットはかなり画になっている。

「えぇ、なんとか。土御門さんも今日は召集に応じて?」
「まぁねー。今日は旦那はどうしたの?」

土御門は休憩所備え付けのサーバーからコーヒーを紙コップに注いで、詩織の座っている長椅子に腰掛けた。

「今日は女子中学生二人とデートらしいです」
「ほぉ、それはそれは、こんな美人を放って浮気、しかも相手は中学生とは、豪気な」

茶化すように土御門はいい、手に持ったコーヒーを飲む。
苦さに、というよりはまずさに耐えるように顔をしかめて、口を開く。

「で、詩織ちゃんはこっちに来なきゃいけないから体よく一条の代理を押し付けられた、と?」
「………そういうことになるんですよね」

今日、せっかくの休日を返上して本部に来たのは、召集がかかったからだ。
召集がかかった対象は、戦前から続いている「家」の当主クラスの人間ばかり。
局は設立してからまだ百年に満たない若い組織(国際連合と同時期に設立)であり、
発足時からの幹部、管理職クラスの人間には、戦時中日本の強制、迫害から逃れ反駁した「家」の人間が数多く起用されている。
故に、このような場にそのような人間が集められること自体がないわけではなく、三ヶ月に一度くらいの頻度で定例会議もある。
しかし今回の召集は「緊急」扱いで、現在担当している事件がなければ必ず出席しろ、といわれた。
つまるところ、これから始まるであろう会議は、局の方針や魔法世界全体にかかわる事柄に関することとみて間違いはない。

詩織は煉瀬ただ一人の生き残りであるので必然的に当主になる。
そして朔夜も、両親が日本を離れている間は当主代行としてここにこなければならないのだが、
週末は四姫の編入手続きがあるといって、取り付く島もなく代行代理を押し付けられてしまったのだ。
通常、当主の代理はその家の血縁者が勤めなければならないのだが、

「まぁその辺は煉瀬の発言力でなんとかなるんじゃね?」

という無責任極まりない発言によって言いくるめられてしまった。



「しかしいつ飲んでも不味いね、ここのコーヒーは」

土御門は耐え切れなくなったように嘆息しながら言い、
煮詰まって香りもとんだ泥水のようなコーヒーを流しに捨てた。

「コーヒーの味はよくわからないのでなんとも」

詩織が苦笑しながら肩をすくめる。

「…あぁ、詩織ちゃんはお茶派だったっけ?」
「いえ、特別そういうわけではないのですが、朔夜があまりコーヒーを淹れないので」

コーヒーは嫌いではないが、普段飲むことがなければ味などわかるはずもない。
朔夜がお茶の時間や食後、勉強中に淹れてくれるのは大概においてお茶である。
日本茶、紅茶、中国茶。その種類に関してあまり節操はないが、その味はかなりおいしく、
魔導師やめてもどこかの喫茶店のマスターとして食っていけるんじゃなかろうかという腕前で、
現に今飲んでいるお茶も、朔夜が朝、魔法瓶にいれて渡してくれたものだ。

「朔夜が、ねぇ」
「あ、このスコーンもそうですよ。食べます?」

今度は土御門が苦笑しながらスコーンと紙コップを受け取り、
お茶を一口、スコーンを一口食べると、その美貌を少しだけ驚きの形に歪ませた。

「……なんだかんだいって愛されてるんじゃないか?詩織ちゃん」
「へ?」

詩織が間抜けな声を上げると、土御門は愉快そうに笑って、

「それだけこのアールグレイとスコーンがおいしいということさ、
詩織ちゃんのものじゃなかったらあの一条の坊主をうちで働かせるくらいだよ」

朔夜が聞いたらなんというだろうか。
少なくとも自分の料理をほめられるのは嫌いではと思うが、
詩織以外の人間のために働く姿は想像しずらかった。
それはまぁ、多分に独占欲からくることもあるが、少なくともあいつは執事のように働く柄ではないと思う。

「む、そろそろ時間だね」

二十分ほど談笑したあと、詩織と土御門は立ち上がる。
今回の会議は先ほど述べたように緊急で、しかもわりと秘匿性が高いらしい。
休憩所から、会場の会議室まで歩くなか、詩織は土御門に尋ねた。

「そもそも今日の議題はなんなんです?」

土御門はあたりを見回し、誰もいないことを確認すると、つぶやくように言った。

「最近、覚醒者を狙った誘拐事件が多発してるんだよ」
「あぁ、それなら。今日の朔夜のデートの相手の片割れはその被害者ですね」
「じゃあ話は早いか、問題は、覚醒者の誘拐に際して事前に予告状がとどいているというのに、
かなりの確率でその誘拐が成功している、という点にある」
「……局の対応がずさん、ってことはありませんね。じゃあやっぱり」
「俺は直接かかわっていないからどうにもわからないが、かなりのレベルの魔導師が絡んでいるみたいだな、それも一人じゃない」

確かに、四姫を救出する際に戦った魔導師も式神だったとはいえ、あの量と質のキメラを召喚し、使役していた。
裏を返せば、式神程度でもあの力量ということは本人は相当の術者ということになる。

「私と朔夜があたったやつも、結構強かったです」
「そうか、継承家の当主クラスが強いと認める程度か……」

どうやらこの情報は初耳だったらしい。
土御門家が把握していない情報があるとなると、事はかなり混乱しているということか。
だとしたらこの前の式神を自爆させずに無理矢理干渉術式でも打ち込んでおくべきだった。
いまいち覚醒者のみを狙って拐わす理由に見当がつかないが、それはこれから議論すべき話題なのだろう。

会議室に到着し、入室すると、すでにほとんどの人間が着席していた。
まだ会議開始まで十分以上あるので、座って談笑ないし議論を吹っかけあっていて結構うるさい。
詩織と土御門は隣り合って、円卓に腰をかける。
土御門が座った席は、円卓とはいえ議長席にあたるので、司会進行は彼の仕事らしい。
詩織が自分の右どなりの空いた席に、一条家当主代行の形を模した人形を置いたと同時に、土御門が会議の開始を告げた。






―――――



「遅い!」

すびし!と音を立てそうな勢いで秋葉に指を指され、朔夜は少々困惑する。
約束の時間は九時半、今の時刻は九時二十分を回るか回らないかという時間だ。
腕時計が壊れたのかと思い、携帯の電波時計で確認するが、やはり約束の時間は過ぎていない。

「いやいやいや、まだ十分前だろ」
「女性と約束したら男は三十分前には待ち合わせ場所に来るのが当たり前でしょ?」

知らなかった。

「そーなのかー。ってお前はいつからここにいたんだよ」
「わ、私はほら、早く来て自分の用事を済ませたかったから」

なるほど、道理で。
今日の待ち合わせ場所は、修興学園中等部校門前。
自分の通う学校なら用事があってもおかしくはない。なぜか少々どもり気味なのはひっかかるところだが。
でもまぁ、待ち合わせといっても、今日はデートのように青春の香りがするような用事ではない。
四姫の編入に関する話を学園側とするために来たのだ。
本部の方で今日は何か緊急会議があったようだが、それは詩織に任せておいたので問題はない。
出かける時になにやらわめいていたが、機嫌取りに紅茶とスコーンを渡しておいたし、
帰ってきたときに好物のひとつでもつくってやれば大丈夫だろう。

「へっくし!」
「あれ、風邪?朔兄は花粉症持ちじゃなかったよね?」

前言撤回、どうやらあっちで人の悪口をいっているようだ。

「あ、ティッシュ使いますか?」

今まで黙っていた四姫が、心配してくれたのかポケットティッシュを取り出して言った。
しかしくしゃみをしたとはいえ鼻水が垂れたわけではないので、丁重に断りをいれる。
そうですか、といってティッシュをしまう四姫を見ながら、こんな清楚なお嬢様もいまどきいるのだなぁ、
とか思っていたら秋葉に脇をつつかれた。

「ほら、そろそろいくよ?」
「あ、あぁ、ちょっとまて、お前を四姫に紹介してない」

朔夜は、自分の斜め後ろに立っていた四姫を秋葉の正面に立たせる。

「四姫、こいつは八神秋葉、もしかしたら見覚えがあるかもしれないが、俺の妹分で、料理の師匠の娘だ。
年齢はお前のひとつ上の十五歳。修興に入れば先輩になるから、何か学校で困ったら助けてもらうといい」
「よろしくお願いします、八神先輩」
「秋葉でいいよ」
「うし、じゃあ行くか」

秋葉を先頭にして、朔夜たちは校舎に進入していく。
私立修興学園は、正確に名前を書くとしたら、「私立修興大学附属学校」となる。
前にも説明したが、母体である大学が教育学部を有しており、
小学校から高校までのすべての教職課程を履修することができるようにするために、
霧浜の広大な土地を利用して作られた一種の学園都市と言っても過言ではない。
故に当然それぞれのキャンパスはつながっており、大学生の講義中に、
その外を中学生が部活の走りこみをしているなどといった、シュールな状態が発生することもままある。

朔夜、冬馬、詩織はそれぞれの事情から中学校は公立の学校に通っていたため、
中等部の校舎の構造はまったくといっていいほどわからない。
逆に秋葉は小学校からストレートで修興に通っているので、単なる在学年数で言えば、九年分も先輩になるのだ。
本当は、今日のこの予定に秋葉の参加はなかったのだが、根回し完了の電話をもらった際に、

「じゃあ日曜日は何時に行けばいいの?」
「は?や、お前は来なくてもいいぞ、日曜なんだから遊んでろ」
「ふ~ん、でも朔兄、中等部の校舎がどうなってるか知らないじゃん」
「そんなものは案内を見ればどうとでもなるって、魔導師なめんじゃねぇぞ」
「いや、魔法とこれとは関係ないと思うけど……」
「いざとなれば検索魔法がある」
「それって大丈夫なの?」
「全然」
「だめじゃん……」
「ま、本当にこっちのことは気にしなくていいから、お前は友達と遊びに行くなり、デートでもするなりしろ」
「友達はみんな部活、彼氏はいません。じゃあ九時半でいいね?」
「え、お前彼氏いないの?じゃなかった、おい!」

そのまま電話が切られてしまったので、断るに断れず今の状況と相成っている。
実際のところ朔夜は、というか魔導師はその職業柄、空間把握能力に長けているので、
秋葉の案内がなくても問題は無かったのだが、入校手続きなどの余計な手間が省けたのでよしとする。

秋葉は四姫に校内を一通り案内した後に、事務室で様々な手続きをする、という予定でいるらしく、
途中から四姫を自分の隣に来させて、あれやこれやと指を刺したり、手振りを交えながら世話をしている。
どうやら八神の人間は遺伝的に世話焼きの傾向があるようだ。

「あ、秋葉だ!お~い!!」

グラウンドに出ると、陸上部と思われる集団の中から数人、こちらに向かって手を振りながら近づいてきた。
あの様子からすると秋葉の友達のようだ。全員が同じ体操服にブルマ姿だ。
余談だが、修興の女子の運動着は小、中、高、すべてブルマである。
いまどき日本じゃお目にかかるのは漫画かアニメの中だけだが、何故か修興はそうなのだ。
気になっていつか冬馬に聞いてみたことがあるが、どうやら大学の学部長が指定したらしい。変態か。

「休みにどうしたの?」
「あ、もしかして陸上部に入る気になった?」
「あれ~?この子は秋葉の妹?」
「そこのお兄さんは秋葉のお兄さん……はメガネをかけてるから違うか、彼氏?」

こちらに来るなり矢継ぎ早に質問を繰り出す女子生徒たち。
女三人寄ればかしましいとはよくいったものである。

「ううん、この子はこれからうちに編入する予定の子、こっちの朔兄の知り合いなんだ」
「へぇ~、この時期に編入かぁ、珍しいね。名前はなんていうの?」
「古宮、四姫です」
「しき、しきってどの字を書くの?式?織?それとも志貴?」

(いやあんた、いろんな意味で偏りすぎだろ)

朔夜が心の中で突っ込んでいると、四姫は戸惑いながらも答えていた。

「えっと、四に、姫って書きます」
「四つのお姫様!」
「すごい!おぜうさまみたいな名前だね!!」

名前を聞いたとたんに、やってきた女子生徒たちの声が三割増しになった。黄色い声が耳を劈く。

「はいはい、私たちはまだ回るところがあるから、また今度ね」
「そっかー、じゃあ編入したらまたね!」
「私たちもそろそろ部活に戻るよ」

朔夜が顔をしかめたのを察知したのか、秋葉はすぐに話を切り上げさせた。
女子生徒たちがグラウンドの中央に走り去っていくのを横目に見ながら、
朔夜は体を校舎の方向に反転させて、ふらふらと歩き出す。

「ごめんね、朔兄、四姫。ちょっと元気がありすぎる人たちだから」
「いえ、秋聖にはいない人たちでおもしろかったです」
「俺は苦手だ」

その後、引き続き広い校舎を結構な時間をかけて回り、残すところは事務室での諸手続きのみとなった。

「あ、そうだ朔兄、理事長に会うんだよね?」
「あぁ、あの婆さんに話をしておいた方が何かといいし、俺も聞きたいことがある」
「じゃあ、行ってきなよ、こっちは私が済ませておくから」
「そうか?悪いな、じゃあ行って来る。昼飯はおごるから終わったら外で待ってろ」

了解!とうれしそうに敬礼した秋葉たちと別れ、先ほど確認しておいた理事長室へと向かう。
五分とせずにたどり着くと、朔夜は深呼吸をしてその重厚な扉をノックした。

「一条家、三十二代目当主代行、一条朔夜です」
「開いてるよ、お入りなさい」

重いドアを開けて中に入ると、そこには平均的な教室の1.5倍ほどの広さを持った空間が広がっていた。
床一面に毛足の長い高そうな絨毯がしかれ、応接用のソファや机、本棚にいたるまで、これまた高級そうな調度品が並べられている。
ただその高級感も、センスがよくバランスが取れているため、不思議と息苦しさは感じない。
その代わりに朔夜は、言われようも無い重圧感を感じていた。

「そこにお座りなさい」

ドアを開けた正面に鎮座している、オークの執務机の向こうから声がかかる。
声の主は、部屋の雰囲気に違わず品のよさそうな老齢の女性だった。
細身の金縁メガネをかけ、豊かな白髪を纏め上げ、その顔には穏やかな微笑をたたえているこの女性が、
私立修興学園中等部理事会理事長、そして魔法統制管理局設立の功労者の一人に数えられる、桔梗院円だ。


「お久しぶりです」

朔夜は勧められるまま、ソファの下座に腰をかけ、上座の円に頭をさげた。
そして、絨毯に刻まれている奇妙な紋様に気がつく、――基礎魔法の魔法陣だ。
頭を上げて部屋を見渡してみれば、絨毯以外にもいたるところに、魔法的処理が施してある。
先ほど感じた言いようの無いプレッシャーは、どうやらここから来るものだったらしい。

「本当に久しぶりね、あなたが局入りした時以来かしら」
「もうそんなになりますか」

円がお茶を淹れると言い、朔夜はそれを辞退しようとしたが、
客人はおとなしく座っていろといわれてしまったので、朔夜はしぶしぶと腰を落ち着けた。

「そういえば今日は本部の方で緊急会議があったはずだけれど、あなたはどうしたの?」
「担当している任務があれば欠席は可能とのことでしたので、詩織、煉瀬の当主に代理を頼みました」
「当主代行の代理ねぇ。ということは、あなたが今日ここに来たのは、その「担当している任務」が関係しているのね?」
「えぇ、今度ここに編入させようと思っている、古宮四姫ですが……」
「覚醒者で、一度攫われかけているから、修興の敷地の結界を強化しろ―――おおむねそんなところかしら?」 

口にしようと思った言葉を奪われた朔夜はすこし呆然として、ゆっくり頷いた。
円は白磁のティーカップに、香り高い紅茶を注ぎ、朔夜の前と自分の席の前に置いて座ると、ややいたずらっぽい口調で言った。

「なんでわかったのか?そうね、じゃあ少し長い話をしましょう。今、魔法統制管理局が直面している問題について」

そうして、円は唇を湿らす程度にお茶を飲むと、今まで浮かべていた微笑を一転させ、真剣な眼差しを朔夜にむけ口火を切った。













to be continued.....
















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★ プロフィール
HN:
上城 遊馬
性別:
男性
自己紹介:
前のハンドルは宇宙飛行士な名前だったり。
三流国立大学の隅っこで映像制作をする不良大学生です。
アウトドア派でクリエイター気取り。
ぬるぬると文章を書き連ねておりますのオタク。
東方大好き、MGS大好き、特撮大好き、アニメ大好き、小説大好き、料理大好き、キャンプ大好きな人間です。

もうちょっとしたらPixivの小説投稿を本格的に始めようかな……
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